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2007年1月10日 (水)

おもしろ印講座 4回目 篆書について

4 ちょっと勉強しましょう 
 ここで、印のついてちょっと勉強しておきましょう。
同じことをするにしても、知らないでするのと、知ってするのとでは、いろいろな意味で随分と違いがありますから。ちょっと長くなりますが、これでもまとめたつもりです。なにしろ、どのことも本何冊にもなる内容のことばかりです。
 まず、おもしろ印のようでおもしろ印とは違う、篆刻のことから始めます。

(1)篆刻とは? その意味 歴史
① 篆書について 
 篆刻について知るためには、まず、「篆書を刻する」から篆刻というのですから、篆書を知らねばなりません。
 篆書(てんしょ)は書道でいう書体の一つです。書体は五つあって、楷書、行書、草書、隷書、そして、篆書です。この篆書、まず、漢字が難しい。なかなか書けるものではありません。しかし、この字を書くしかなくて、覚えるより仕方がないのですが…。活字で見ると簡単そうですが、ちょっと書いてみて下さい。案外どう書くの?という感じの漢字です。

 この篆書というものを理解していただくためには、まず、中国の書、つまり漢字の成立からの流れを知っていただかなければなりません。
ということで、篆書の歴史についてまず、まとめておきます。

 狭義で言えば、場所は中国、時は今から二千数百年程前の話となります。紀元前221年、秦の始皇帝が中国を平定し、統一国家が誕生しました。そして、文字も統一され、新しい文字を制定しました。これが「小篆」です。李斯(りし)という宰相に作らせたと言われています。

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(←小篆「泰山刻石」の拓本・クリックすると大きくなります)

 中国で生まれた漢字の現存する最古のものを甲骨文(こうこつぶん)正しくは亀の甲羅や獣の骨に刻された字なので、亀甲獣骨文字と言います。今から、三千数百年程前、時代は殷です。(もっと昔の文字のようなものも発見されつつあります。夏王朝の存在とその証明が進んでいます。しかし、今のところ、ここでは、甲骨文を最古の文字としておきます。)

 中国の歴史覚えていますか?中学校の時に覚えたでしょ?殷周秦漢…、と。
この殷という国の存在を証明したのが、甲骨文をたどって発見した殷嘘です。それまで竜骨という漢方薬がありましたが、何か文字のようなものが刻されていると、思って、集め、研究し、探しだし、掘り出した人達がいるのです。王懿栄と劉鉄雲という二人の金石学者です。これが、なんと1899年の話。つまり、まだ殷(正しくは商というのが国の名です)は証明されて100年余りにすぎないのです。それまで、殷は伝説の国だったのです。歴史というのは、こんなもので、後から証明されるのです。

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(←甲骨文字の拓本)

   

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(←金文)

 さて、話を元に戻して、次は周ですが、漢字の歴史と政治的な歴史が必ずしも一致するわけではないので、殷のころからもそうでしたが、漢字を書き付ける物は、亀の甲羅や獣の骨から、金属の器の中へと移行します。鋳型に流し込まれた青銅器に文様とともに漢字が書かれています。これを金文(きんぶん)といいます。まだ象形文字から、少しずつ新しい漢字が作り出されました。指事、会意、形声といった作り方でどんどん漢字は増えていきます。そういうことが分かる資料が金文なのです。

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(←石鼓文の拓本)

 次は石に刻したものになります。石鼓文(せっこぶん)というのが有名です。この頃の中国はいろいろな国があって、春秋戦国時代と呼んでいます。孔子や孟子などの生きた時代です。そして秦という国が全国を統一するまで、漢字も国ごとにバラバラに使われて、バラバラに発展していったようです。
ところで孔子の論語は、どんなものに、どんな字で書かれていたのか、想像してみて下さい。
分かりますか。難問ですね。後で答えを出します。

 さて、ついに秦の始皇帝、文字の統一です。李斯によって小篆が作られます。広義では、甲骨文からこの小篆まで、全部ひっくるめて篆書と呼びます。また小篆より前のものを、大篆といって区別したりもします。
一般的なハンコで使われている字が、小篆です。
書道の世界では広義、つまり全部ひっくるめて篆書ということが多いでしょう。

書の歴史として篆書を、本当におおざっぱに見てきました。
言葉がよくわからないものもあると思います。幸いにインターネットの世界では、その言葉を検索すれば、答えは出てきます。もっと知りたい方は、もっと詳しく説明をしているサイトが沢山ありますので、どうぞそちらをご覧下さい。

では、今日はこの辺で。

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