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2007年2月24日 (土)

おもしろ印講座 8回目

お待たせしました。

いよいよ、より具体的に少し詳しく説明していきましょう。

8回目からは用具用材です。

用具用材を購入する時に、少しでも参考になればと思います。

5 用具用材について
  もう少し詳しく考えてみましょう
(1) 印材 
① 石
おもしろ印では、主に石印材を使います。中国の石です。残念ながら日本には印材に適した石はほとんどありません。文房具店や書道専門店で売っている石印材は中国からの輸入品です。実用的には、青田石、寿山石、昌化石などが主なものです。 Photo_96
  高校生の時、まだ日本と中国は国交を断絶していました。それで、石印材は貴重品でした。書道の授業では消しゴムを刻しました。僕は書道部でしたが、作品用の雅印は、先生が石に刻してくれました。しかし、卒業すると削られて、新入部員のためにまた使われました。
その後、書道の出来る大学に進学。大学生になって、日中国交回復。印材がやっと簡単に手に入るようになりました。しかし、刻し方がわかりません。本をたよりに、道具を揃えて、とにかく雅印を刻しました。消しゴムのようにはいきませんでしたが、なんとか自分の印が出来て、作品に押したものです。(しかし、めちゃくちゃな刻でした)
ほどなく夏の特別授業で幸いに中村淳先生の指導を受けることが出来ました。そのときのことは今でも忘れられません。先生の刀の使い方の凄かったこと。それ以来、僕も握刀です。握刀については刻のところでまた詳しく説明します。
さて、石印材の話に戻します。
石印材は、天然のものですから色や模様はそれぞれ違います。
形は大体立方体に切断してあり、印面(刻す面)が正方形のものが主ですが、長方形や円や楕円のものもあります。大きさは、印面が3ミリ角くらいからミリ単位で大きくなって、10センチ角くらいまではあります。大きさの単位は正しくは、分、寸です。しかし、今はセンチで表記しているようです。
主に作品に落款として使う大きさは、1、5センチから4センチくらいでしょう。
石印材を鉱物的にいえば、主成分は石灰岩ということです。それに様々な鉱物が少し含有していて、それによって色や模様や硬さが違ってくるのだそうです。ただ、大理石も石灰岩ですが、大理石よりもずいぶん軟かいものです。
さて、どこで売っているかというと、書道専門店が種類も豊富でお勧めです。安価なものは紙の箱に10個や20個単位で、まとめて入っています。ちょっと高級なものは一つ一つ布を張ったクッション入りの箱に入って保護されています。また、鈕(ちゅう)といって印面とは反対側、つまり手で持つ所に、獅子や亀、怪獣などの彫刻が施されているものもあります。田黄(でんおう)や鶏血(けいけつ)といった高級品は陳列ケースの中に収まっています。「ヘー、こんな石もあるのかー」とため息をつきたくなるような石達です。値段は見てのお楽しみ、初心者には高嶺の花です。目の保養として楽しみましょう。 Photo_97 (左写真は書名品掛図 より)
手近くに専門店がないという所では、100円ショップでもあります。ただし、種類はあまりありません。でも、105円で、とりあえず手に入ります。
いずれにしても、高級品、貴重品は別として、ずいぶんと安い値段になりました。3センチ角でも200〜300円で新青田石なら買えるでしょう。僕のよく使う2センチの印は100円くらいです。巴林石という昌化石の一種はもう少し高いのですが、彫りやすい石です。石の種類によって性格が異なり、やはり彫りやすいもの、欠けやすいもの、ねばっこいもの、ばさばさしているもの、などいろいろです。刻してみなければわかりませんね。そして、自分の好みを見つけて下さい。とりあえず、最初は青田と巴林で試してみてはいかがでしょうか。
石印材選びのこつを、いくつかお教えしましょう。まず、ヒビがないかをチェック。あまり派手な模様のないものを、そして、おいしそうなのを!選ぶことです。
例えるなら、羊羹です。ほどよい硬さと均一な印面に出会えるでしょう。刻しやすいのです。では、いい印材を見つけて下さい。

② その他
・木  木も立派な印材です。よく黒柿がいいといわれています。梅の木もそうです。紫檀、黒檀も使えます。昔からよく印鑑に使われている黄楊もいいでしょう。どれも、残念ながらまだ刻したことがないので、わかりません。
どうも貧乏性なもので、お金を払って買ってまでしようとは、まだ思いません。
木なら、枝です。剪定時に切り落とした椿や桜。どこかで丁度よい大きさの枝を剪定していたら、貰ってくるのです。公園等で拾うこともあります。ただ、切ってすぐの生木は刻しにくいですので、乾燥するまで保存しておかねばなりません。また、刀の切れ具合がポイントです。適した刃物を使わなければなりません。よく切れると気持ちのいいものが出来ます。
・ 陶  土といった方がいいのかもしれません。陶芸用の粘土です。これを適当な大きさ、形にして柔らかいうちに凹凸をつけて乾燥、素焼き、削りだして印面を平らにしてから、本焼き、という手順で陶印を作っています。成形してから素焼きし、この段階で刻すということもできます。
・ 竹  竹の根元に近い部分や、節、あるいは地下茎を切って印材とすることができます。書道専門店なら売っています。普通の印刀では刻しにくいので、片刃のものを使います。
・ 角  水牛の角などがボタンとして売っていますので、刻そうと思えば出来ます。ちょっと硬いです。
・ 消しゴム 最近ブームの消しゴム印です。材料は安価で手に入りやすく、誰にでも手軽にできるいい素材だと思います。それから、凄いのは、曲面にも押せるのでガラスのコップ等にプリントできます。ナンシー関さんの作品が目に浮かびます。
・ その他  要は凸凹が刻すことによってできればいいのですから、芋だって、発砲スチロールだっていいのです。ただ、ずっと安定した状態で存在しているのかということが問題でしょう。他に、何かいいものがあったら、教えて下さい。

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コメント

気がつけば、閲覧数も1万回突破。
おもしろ印展と共に、おめでとうございます。

今回の高座、あ いや 講座、
具体的でとてもわかりやすいです。
kobottomoさんの高校や大学の頃の話や、
刻印との出会いのあたりも興味深く拝読しました。

素人のわたしが、ひらたく言わせていただけるのならば、
要は 凸凹ができれば、それが印になるのですね。

消しゴムか粘土から はじめてみたいです。

投稿: あす吉 | 2007年2月26日 (月) 22時46分

えっ、10000?
さっきまで9900台だったのに、
いつの間に…。
しかし、うれしいですね。
皆さんのお陰です。
こちらこそ、ありがとうございます。

さて、高座は、面白いですね。
これでいきたいくらいです。
落語のように面白いといいのですがねー。

そうです。凸凹ができれば印になります。
でも、その凸凹がどんな凸凹なのかで、
篆刻になったり、ハンコになったり、
おもしろ印になったりするのです。
(微妙な表現です。わかるかなー)
刻の違い、つまり線の違い、によって区別されるような気がします。
まあ、手近なものから初めてください。
でも、石がお勧めです。

投稿: kobottomo | 2007年2月26日 (月) 23時27分

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